中間処理とは?産業廃棄物業者が知っておくべきポイント
産業廃棄物の処理工程は、大きく「収集運搬」と「処理」に分類できます。さらに、処理は「中間処理」と「最終処分」に分けられるのです。最終処分は、文字通り廃棄物の最終の処分を行う工程であり、多くは埋立処分されています。
最終処分の前段階である中間処理にはいくつもの工程があり、生活環境保全においてその処理は重要な役割を担っているのです。今回は、産業廃棄物業者が知っておくべき中間処理のポイントを解説します。
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廃棄物処理の種類
そもそも廃棄物には、法で定められた「燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類」の6種類と政令で定めた14種類、合計20種類の産業廃棄物があり、それ以外の廃棄物は区別して一般廃棄物として呼ばれます。産業廃棄物と一般廃棄物では処理の方法が異なることに注意が必要です。
また、廃棄物処理には中間処理と最終処分の2種類が存在します。中間処理では廃棄物を安全に最終処分できる状態にし、埋立や海洋投入して最終処分。ゼロエミッションが全てに適応できない現状では、この2段階を踏まなければ安全で安定した廃棄物処分ができません。
中間処理がなぜ必要なの?
中間処理は、廃棄物をより安全な形で処分するために必要な工程を一挙に引き受けている段階です。この工程を省いてしまうと、廃棄物は不法投棄物と同様な状態で溢れてしまうことになりかねません。
収集運搬業者から受け入れた廃棄物は、破損していてもほとんどの場合で原形を留めており、そのまま最終処分してしまうと地球上がゴミに埋め尽くされてしまうため、中間処理施設で廃棄物の大きさそのものを小さくします。中間処理は、廃棄物が及ぼす環境への影響を最小限にするために必要なのです。
廃棄物が持つ質量や容積、体積が小さくなることにより、風化・分解される時間を大幅に短縮できます。廃棄物そのものをなくすことはできないので、中間処理でどれだけ細分化できるかが重要なポイントです。
また、できる限り資源を再利用する取り組みも行われています。それが「リサイクル」です。中間処理施設で生まれ変わりリサイクルされるものもあれば、そのまま分別されて直接リサイクルに回るものも存在します。これら全てを可能にできるのも、中間処理施設が存在するからこそなのです。
中間処理の流れ
廃棄物処理は、収集運搬業者が持ち込むことから始まります。中間処理の目的は、廃棄物を安全かつ安定化させて減量することであり、結果として生活環境保全に繋がります。
一般的に知られている処理方法とその効果は以下の通りです。
- 焼却
廃棄物を焼却処理し、燃え殻にすることで廃棄物の減量化を行う - 破砕
廃棄物を砕いて容積を縮小させる - 溶融
焼却処理した燃え殻を溶かし、最終処分量を減少する - 脱水
汚泥などから水分を取り除き、廃棄物としての本来の質量に戻す - 選別
リサイクルできるものを選別し、廃棄物の絶対量を減少する
より細かな工程として、受け入れた廃棄物は以下のような処理を行います。
- 分級
- 薬剤処理
- 切断
- 混錬
- 乾燥
これらの過程を経て、廃棄物は環境に優しい状態となり最終処分場へと送られるのです。
一般的に認知されているゴミ処理施設が中間処理施設となり、産業廃棄物の処分を業として行うことを「産業廃棄物処分業」といいます。各都道府県知事の許可を得なければならず、適切な処分ができる事業体であることの証明が必要です。
まとめ
一般廃棄物でも産業廃棄物でも、中間処理を正しく行って環境への影響を小さくしなければなりません。中間処理施設は、廃棄物そのものの容量を減少させるためになくてはならない存在です。
廃棄物の選別は、中間処理施設で働く方が手作業で行っています。サイズで分ける粗選別のあと、手選別でリサイクルできるものや処理方法別に分別しているため、一般家庭から廃棄物が出される時点である程度の分別ができていることが理想的です。
収集運搬事業者でもある程度の選別をしながら収集を行いますが、収集時の選別を簡略化するために廃棄物の収集日が設定されています。指定された日に応じて廃棄物を出す意識が非常に大切だと言えるでしょう。
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