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産業廃棄物業界の今後の動向は?

人類はこれまで、焼却処理、埋立処理、海洋投棄などで産業廃棄物を処理してきた経緯がありますが、どれもいつまでも続けられる処理方法ではありません。現代においても増え続けるゴミ問題をどう対処していくべきか、どうゴミを減らしていくべきかという議題は、平成以前から持ち上がっている大きな問題です。
この記事を通じて、今世界中で考えられている産業廃棄物への認識や今後の対処案を知り、自分がどんな対応ができるか考えてみましょう。

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家庭や企業から発生する廃棄物の収集・運搬・中間処理・最終処分を担っているのが、世間一般で認識されている「ゴミ屋さん」である産業廃棄物業界です。一般家庭に見えているのは、パッカー車やトラックで廃棄物の収集運搬を担当する「収集運搬業者」ですが、産業廃棄物業界全般で考えると、以下の事業も産業廃棄物業界に分類されます。

  • 環境汚染防止
    水ビジネス・土壌ビジネス・化学物質不使用製品
  • 地球温暖化対策
    再生可能エネルギー・省エネルギー
  • 廃棄物処理・資源有効利用
    金属/廃プラリサイクル・資源有効活用・バイオ樹脂/燃料
  • 自然環境保全
    環境保全型農業・緑化/グリーンインフラ・エコツーリズム

昭和から平成にかけ人口が増え、現在減少傾向にある生産年齢人口。今後、より厳しくなるであろう社会情勢において、人口増加は見込まれていません。しかし、人口は減少傾向にあるにもかかわらず、排出されるゴミの量は増加しているのが現状です。ただし、中間処理業者が細かな分類・分別を行うことで、最終処分に回る廃棄物は減少傾向を見せています。

廃棄物発生量の減少

かつての高度成長期に整備が進められた固定資産が豊富に残っている現代、これを有効活用することで新設時に発生する廃棄物の発生が減少しています。新設時の廃棄物とは、残存する固定資産を倒壊させるというものが大部分を占めます。また、自動車の新車販売台数も高度成長期に記録したものと比べ、現代では半分以下となっているのが実情です。
新たな資源を生み出すよりも、再利用する方向で世の中が回っています。

エネルギー削減要請

日本国内において、2013年に3億6100万klの最終エネルギー消費量をマークしており、総発電電力量のうち10.7%が再生可能エネルギーであったことが発表されています。これでは、環境への影響があまりにも大きすぎると考え、2030年までに最終エネルギー消費量を3億2600万klまで削減し、総発電電力量の22〜24%を再生可能エネルギーに引き上げようと「環境制約」と銘打ち経産省から長期エネルギー見通しが発表されています。
また、環境省からは「資源制約」として、世界的な廃棄物発生量の推移を懸念して、廃棄物の再資源化を重視されています。

社会的責任の重要視

2015年9月に国連総会にて採択された「持続可能な開発目標」では、多くの社会的課題の解決を掲げており、持続的な開発を行うためには調達面から見たサプライチェーン管理が重要とされています。
つまり、生産開発時点で廃棄物を発生させない、再資源化可能な素材を見つけることが社会的責任の観点から重要だということです。

人口減少やストック型社会への関心による廃棄物発生量の減少だけでは、根本的な問題解決とまではなりません。再資源化率の向上が必要であり、低炭素化・新素材などの処理方法や技術への耐性を整えることが、産業廃棄物業界に求められている課題だと考えられます。
CSR調達やサプライチェーン管理に貢献することも今後の産業廃棄物業界を支える要素になるでしょう。
今後の資源価格変動などに備えた経営基盤の強化をもって、労働力不足とならない体制が必要です。

産業廃棄物業界は、今後廃棄物を減少させる働きが絶対に必要となります。ゼロエミッションが可能となるには、まだ現在の生産体制では難しく、より多くの再資源化を模索する方が現実的です。
環境保全のためにも、廃棄物の減少と再資源化について関心を高めていきましょう。

 

 
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