産業廃棄物業界の現状と課題を解決するには?
産業廃棄物を取り巻く現状はまだまだ問題が多く、クリーンな世の中とは程遠い状態です。インフラ整備に求められる精度も年々上がり続け、技術進歩しているにもかかわらず未だに迷惑施設として認識している方もいるのが実情です。
産業廃棄物業界が抱える課題はどうすれば解決できるのでしょうか。
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産業廃棄物業界の現状
産業廃棄物業界とは、人間が生活する上でなくてはならない存在であり、家庭や企業から排出される廃棄物を適切に処理し、最終処分までを担う環境衛生を重視している業界になります。しかし、社会的には「ゴミを取り扱う汚い仕事」という認識があり、必要な存在であるにもかかわらず迷惑な存在として見られがちです。
産業廃棄物業界の環境面と経営面の2面から産業廃棄物業界について見てみましょう。
環境面における現状
平成9年度の最終処分量は6700万トンという膨大な量を廃棄していましたが、平成26年度には1000万トンにまで減少され、現代でも同程度での最終処分量に留められています。平成9年度の再生利用率は41%であった者が、平成17年度には50%を超え、その後も同じような推移を保っています。
平成10〜13年に不法投棄が40万トンを超えるピークを迎えましたが、その後は大幅に減少し、平成27年度には2万トン以下の不法投棄に抑えられています。
経営面における現状
現在、産業廃棄物業界に参入している事業者について、環境省から発表されているデータは以下の通りになっています。
- 事業者数
産業廃棄物業者としての許可を受けている事業体は約11万者存在するものの、実際に活動実態がある事業体は約6万者と全体の6割ほどである - 国内市場規模
環境省から発表されている国内市場規模の情報では、産業廃棄物処理業界全体での推定市場規模は約5.3兆円と推定されている - 売上高
収集運搬のみの事業者の場合、平均売上高は約1.6億円
中間処理のみの事業者の場合、平均売上高は約4.2億円
最終処分飲みの事業者の場合、平均売上高は約3.3億円
中間処理・最終処分を兼ねる事業者の場合、平均売上高は約6.7億円 - 国内売上上位
2014年時の国内売上上位企業情報です。- エコシステムジャパン(株):27,423百万円
- (株)ダイセキ:26,459百万円
- 大栄環境(株):23,129百万円
- (株)アイザック:18,861百万円
- JFE環境(株):17,519百万円
- (株)シンシア:13,249百万円
- 三重中央開発(株):13,083百万円
- (株)タケエイ:12,678百万円
- ミヤマ(株):12,159百万円
- オオノ開發(株):11,419百万円
- 大手事業者
2014年度実績ですが、国内売上上位10社の合計売上高は約1,759億円にものぼっています。
世界的にはアメリカのWaste Managementが約1.6兆円、フランスのVeoliaが約1.1兆円、Suez Environnement,SITAが約1兆円、ドイツのRemondisが約9,400億円と、大きく差があるのが現状です。
産業廃棄物業界が直面する2つの課題
産業廃棄物業界には乗り越えなければならない2つの大きな課題が残っています。その2つの課題とは何なのかみていきましょう。
競争の激化
収集運搬業社は同業者が多く、収集先の奪い合いが起こっています。また、中間処理業者も、受入事業体の取り合いが発生。最終処分業者も廃棄物が減っていることで、より多くの廃棄物の搬入がある中間処理施設を奪い合う状況にあります。
人材の確保
産業廃棄物処理業界には、人材が居着かないという大きな問題があります。活動時間、汚物、臭いなどの大きな壁があり、給与面で好条件であっても継続するのが難しいのが実情です。
産業廃棄物業界の課題を解決するには?
産業廃棄物業界の課題は、優良な産廃処理業者が適切に評価される仕組み作りや、排出事業者責任の徹底、再資源化の推進や人材への手厚い保障など、現場から上がっている要望を拾い上げることが重要と考えられます。
「成長」に向けた事業戦略
産業廃棄物業界の成長には、各事業体の事業基盤の強化と拡大が必要です。そのために、現状「個の事業体」の活動を企業提携やM&Aによる「集の事業体」へと進化し、競争ではなく共生を実現することが大切です。世界的な産業廃棄物処理の動きに乗り遅れず、廃棄物の減少に負けないマーケットの拡大が重要になります。
「底上げ」に向けた事業戦略
業界自体の底上げには人材の定着が必須事項なので、人材確保・育成に必要なプログラムの導入や、研修への参画も重要でしょう。そのためには業界が主導となってCSR活動を牽引すべきと考えられます。
まとめ
産業廃棄物業界の現状と課題を解決するには、業界が一丸となって今後の産業廃棄物業界に向き合わなければなりません。廃棄物が減少している中、生き残りをかけて奪い合うのではなく、共同体となり業界を支えることも考えてみてはいかがでしょうか。人材確保が難しい上に、育成すべき人材が止まらない状況を打破しましょう。
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