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残土処分の社会的な問題と取り組み

建設業において、「残土」の処分はいつの時代にもついて回る問題です。先ごろ熱海で発生した土砂崩れの際にも問題になったのが、山中に置かれた盛り土が適切に処理されていたかどうかであり、この盛り土の実態は残土でした。
今回は、残土処分の社会的問題がどこにあるのか、またどんな取り組みがされているのかを知り、今できる対策を考えてみましょう。

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残土の正式名称は「建設発生土」であり、建設現場から発生する土全般を総称した呼び方が「残土」となります。
残土は産業廃棄物ではありません。しかし、建設現場で発生した際、ほとんどの場合に産業廃棄物を含んだ状態で発生してしまいます。そのため、純粋な土や石、砂などへ分別する必要があり、分別ができない場合は産業廃棄物として処理しなければなりません。

産業廃棄物との分別が完了した残土は、建設物を作った後に埋め戻され、そこで残ったものを残土として処理。また、残土自体も「コーン指数」と呼ばれる土の硬さを基準とした分別が必要となり、再利用の際に適切な状態の残土をすぐに移動できるようにしています。残土には第1種建設発生土から第4種建設発生土までのランク付けがなされ、さらに泥土と呼ばれる状態も存在。これら5段階それぞれで残土処分をする処分場が異なるのです。

冒頭にもご紹介しましたが、先ごろ熱海で発生した土砂崩れの原因のひとつに残土が挙げられていました。国土交通省が「建設発生土の取扱いに関わる実務担当者のための参考資料(国・地方公共団体等内部用)」で発表している崩落事例は下表の通りです。

(2)過年度における建設発生土の崩落事例

  1. 平成13年からの15年間に、全国で14件の崩落事案が発生していたことを確認。大都市周辺部を中心に発生しており、都市部の建設工事等から搬出された建設発生土である可能性。
  2. 14件の崩落事案のうち、人的な被害が発生したのは1件。その他の事案においても、道路の通行止め、河道への流入、停電等の被害が発生。
  3. 14件の崩落事案のうち、10件は法令・土砂条例の対象(当時は対象で無かった4件のうち3件の地域についても、その後に土砂条例が制定)。このうち9件については、指導や命令は実施されているが、罰則は適用されていない。
  4. 法令・土砂条例の対象であったにも関わらず、崩落を未然に防止できなかった原因は、危険性を十分に認識できていなかった事例が4件、行為者への対応が結果として遅れた事例が8件(重複あり)。
  5. 崩落事案発生により代執行を行った場合、要した費用を後日に行為者へ要求しているが、回収が完了していない例が大部分。周辺住民との調和や安全確保を十分に考慮していない悪質なケースが見受けられ、事故後に営業を中止しているなど、多くは責任が果たせない又は果たす意思のない行為者。

建設発生土の取扱いに関わる実務担当者のための参考資料 (国・地方公共団体等内部用) より抜粋

残土処分が引き起こしている社会的問題は、人命に直接影響を与える深刻なものです。過去の事例を振り返り、今後同じ失敗を繰り返さない対策が必要だと言えるでしょう。

現在、国土交通省で発表している崩落事案に対する組織的な取り組みは下表の内容です。

3)崩落事案に対する組織的な取組

  1. 不適切な行為に対しては、地域の実情に精通し、法令や技術的事項に関する知見、行為者等に対応できる経験や能力を有する職員に担当させることや、庁内において不法投棄への対応を行った経験がある部局と協力するなど、組織的な対応体制の構築が重要であることに留意。
  2. 市町村において情報や経験が不足している場合は、関係する行政機関や研究機関等からの助言を得ながら対応。
  3. 捜査機関による対応が迅速に行われるよう、想定される被害を含めて早期に情報を提供。
  4. 崩落事案によって公共施設等に被害が及ぶ可能性がある場合には、それらの管理者に対して早期に情報を共有。
  5. 他の法令に違反する可能性がある場合は、受入地に係る関係法令の担当部局や環境部局、労働基準監督署などの関係機関と緊密に連携して対応。
  6. 告発など様々な事案への対応の実績は、新たな事案に対応するための知見となるとともに、行為者への抑止力となりうるので、事例を蓄積し、庁内で共有。

建設発生土の取扱いに関わる実務担当者のための参考資料 (国・地方公共団体等内部用) より抜粋

要約すると「有識者からの助言・助力を仰ぎ、被害発生よりも前に崩落の危険性がある場所の調査を行い、関係各所・庁内で情報を共有し適切な対処を行う」ということです。ただし、この取り組みを実現するためには、そもそもの残土処分が適切に行われる必要があり、盛り土などで放置される残土が発生しないようにすることが重要です。

建設事業が行われる限り、残土の発生は止められません。そこで、適切な残土処分を行うことにより、再利用できる状態を作り出しているのが現状です。過去に不当に処分された残土への対策とともに、今後発生する残土をさらに減少させるための対策を行うことが、現在の課題だと言えるでしょう。

 

 
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