計量システムがあればマニフェストの記載ミスを減らせる?
廃棄物処理には、排出時に必ずマニフェストが必要です。しかし、従来の紙マニフェストの場合、人間が手書きするという特性上、どうしてもヒューマンエラーが発生しやすいというリスクを孕んでいました。エクセル入力方式に変化し、筆記癖による読み間違いは無くなったものの、作業の手間は減るわけではありません。
計量システムが導入されることで、処理業者も関係する全ての業者も、これまで負っていた大きな負担を一気に解消できるようになります。計量システム導入によるメリットなどを見ていきましょう。
目次 CONTENTS
マニフェストに記載ミスを見つけたら…?
どれだけ完璧だと思っても、マニフェストは人間が作るものであるためヒューマンエラーは少なからず発生してしまいます。再三の幾重にも繰り返したチェックでも見逃してしまうミスがマニフェスト交付後に発覚した場合、そのミスを放置するわけにもいかず、正しく修正しなければいけません。
マニフェストの修正自体に罰則はありません。慣例的には、手書き修正で記載ミスに対処可能とされています。A~E票という7枚綴り複写となるため、全てに矛盾がない状態に修正が必要です。複写を提出する業者がそれぞれ異なるため、修正する際は関係各所全てに修正の意を通達し、各所にて通達通りの修正を行ってもらわなければなりません。
通達は、電話通達でも問題ありませんが、正しく伝わらない不安がある場合、FAXやメールへの画像添付などでの通達が確実だと言えます。
修正が可能な箇所は以下の通りです。
- 引渡し担当者
- 排出事業場
- 産業廃棄物情報(廃棄物の種類、数量、単位、荷姿、数量の確定者)
- 最終処分の場所
(引用:日本産業廃棄物処理振興センター FAQ)
修正してはいけない項目に要注意
マニフェストのミスを放置することは許されません。正しく修正を行い、適切に保存する義務があるのです。そのため、ミスが発覚したからといって「新たに正しいマニフェストを再交付することは許されない」ということを理解しておきましょう。
マニフェストは、廃棄物排出時に交付するものであって、後から提出するものではありません。一度交付されたマニフェストが間違っていたからといって、それを破棄することは「保存義務違反」となるので注意が必要です。
また、修正自体が不可能な箇所があることも知っておきましょう。以下に挙げる箇所の修正は認められません。
- 運搬情報−収集運搬業者
- 積替保管施設(積替保管の登録を行う場合のみ)
- 処分情報(処分業者、処分事業場)
(引用:日本産業廃棄物処理振興センター FAQ)
これらの箇所については、廃棄物処分業者が当初より排出先として決定している施設であり、別施設等への排出はありえないことのため修正が不可能とされています。
マニフェストは処分業者が作成するため、運搬情報ー収集運搬業者の欄は、変更修正する箇所ではありません。積替保管施設・処分情報については、委託契約を基に決定されている取引なので、中途変更される欄ではないのです。
電子マニフェストの場合
紙マニフェストの場合は、手書きでの修正が可能でした。一方、電子マニフェストへと移行している現在、JWNETのシステム上でオンライン修正が可能となっています。より簡単に情報を修正できる上、修正不可能欄へのアクセスができないため、間違いが発生しづらい環境が整備されているのです。
また、修正が必要となった場合、JWNETのシステムより、関係各所へ修正承認が通達されるため、処理業者側で特別な通達を行う必要がありません。また、各所の承認は保存されるため、合意記録も同時に作成されます。
万が一ヒューマンエラーが発生したとしても、従来なら修正のために時間を割いていたところ、システム上で簡略化して対処できるようになり、記載事項を修正するだけで関係各所へ修正指示を出すという手間が一切必要なくなったのです。そのため、複写側で発生するリスクがあった二次的ヒューマンエラーの抑止にもつながります。
計量システムがあれば、数量の記載ミスが起こりにくい
マニフェストで記載ミスが発生しやすいのが「数量値」です。紙マニフェストの場合、数字の書き癖でも認識の違いで間違いが発生するケースもあります。電子マニフェストの場合でも、正しく入力したつもりでも勘違いが発生しないとは限りません。
また、トラックスケールでの計量時、計量処理と販売処理の2回にわたりデータ入力しているのが現状です。そこで、計量システムを導入すると、データ入力を一元化できるというメリットがあります。
計量システムを導入することにより、マニフェストデータと計量データを紐づけられるため、数量記載ミスがなくなる他、管理帳簿作成も簡略化できるため、産廃業者の負担が大幅に削減できるのです。
まとめ
計量システムが導入されるだけで、廃棄物処理のデータ管理を簡略化できるばかりではなく、修正が必要となった場合にもシステム上で簡単に修正処理ができ、関係各所に対する修正指示も不要となります。
何度も同じことを繰り返さなければならないストレスもなく、全てを一元管理できるようになるため、データ紛失のリスクも減るのは大きなメリットです。また、計量データとマニフェストデータがリンクすることで、入力値間違いが発生しなくなるのは大きなメリットとなります。
作業数を減らし、作業内容を正確にし、データ管理も完璧に行うことができる計量システムの導入は、廃棄物処理業界全体の正常化につながるのです。
お問い合わせはこちら
CONTACT
サービス情報やご不明な点などありましたら、
以下のメールフォームよりお問い合わせください。