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RPFが注目される背景とメリットについて解説

近年、大きな注目を浴びるリサイクル燃料の1つであるRPF。産業廃棄物が原料であるにも関わらず、低価格、高カロリー、安定した品質など多くの利点を持つ燃料です。今回は、次世代燃料のRPFについて、その特徴や注目される背景、メリットについて詳しく解説します。

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RPFは「Refuse Paper & Plastic Fuel」の頭文字を取った略称です。その名が示す通り、古紙と廃プラスチックを原料とし、これらを押し固めて製造します。主に民間企業から排出された廃棄物を原料とするため、異物の混入が少なく、安定した品質が実現されています。

なお、RPFと似た固形燃料にRDFがあります。RDFは「Refuse Derived Fuel」の頭文字を取った略称です。RDFは、主に地方自治体が集荷した、一般の可燃ごみを原料としています。

RPFとRDFは、名称が似ていますが、発熱量に大きな違いがあります。RPFは、異物や水分を多く含むRDFと比較して、倍以上の発熱量(6,000~8,000kcal)が期待できます。これは、石炭にも匹敵する発熱量です。そのため、RPFは、RDFと比較しても、優れた性能の固形燃料と言えるでしょう。

RPFが注目される背景には、大きく分けて以下の2つがあります。

地球温暖化対策に有効

世界の課題として共有されている地球温暖化。省エネ対策などの取り組みが推進されるほか、石炭や化石燃料に代わる新燃料の登場が強く求められてきました。そんな中で登場したRPFは、石炭に匹敵する発熱量であるにも関わらず、CO2排出量は石炭の3割程度です。高い性能と地球温暖化対策への有効性から、大きな注目を浴びる燃料となりました。

廃プラスチックの輸入規制

日本は廃プラスチックの輸出量が世界トップクラスの国です。しかし、2017年に中国が廃プラスチックを輸入制限し、東南アジア各国でも廃プラスチックの輸入が厳格化、もしくは禁止される事態となりました。つまり日本は、プラスチックのさらなる国内処理が求められる状況となったのです。廃プラスチックの有効利用が可能なRPFは、このような状況の打開策としても注目を浴びています。

RPFを利用すると、以下の4つのメリットが享受できます。

発熱量が大きく、調整もできる

RPFは、石炭やコークスに匹敵する発熱量を誇ります。また、単に発熱量が大きいだけでなく、原料の古紙と廃プラスチックの混合率を変化させて、発熱量の調整が可能です。つまりシチュエーションに合わせて、最適な発熱量を得ることができます。

低価格である

RPFは現状で、石炭の2〜3割程度の価格です。また、灰の処理コストも抑えることができます。RPFの灰分率は石炭の3割以下で済むため、燃焼に伴って発生する灰の処理コストを抑制できるのです。

安全で扱いやすい

RPFは、古紙と廃プラスチックが原料であるため、火災や爆発の危険がありません。RPFは直径数cm程度の大きさで、保管や運搬もしやすく、トータルで扱いやすい固形燃料だと言えるでしょう。

臭いが少ない

脱臭装置が必要なRDFに対して、RPFの臭いは極めて少ないです。実際にダイオキシンや塩素ガスの発生がほぼなく、発生する硫黄ガスも少ないため、燃焼炉における排ガス対策も容易です。

古紙や廃プラスチックがただのゴミとして捨てられれば、処理費用がかかり、自然環境に悪影響を及ぼす恐れもあります。一方、RPFは古紙や廃プラスチックを原材料として、低価格ながら優れたパフォーマンスを発揮します。持続可能な開発が世界的な目標となっている現在、RPFはそのニーズを満たす代替燃料として、活用シーンを広げていく可能性を秘めているのです。

 

 
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