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SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」と課題である海洋プラスチックごみについて解説

SDGsの17の目標のなかで、目標14の「海の豊かさを守ろう」という項目について知りたい方も多いのではないでしょうか。この目標を実現するためには、海洋プラスチックの問題と現状について把握することが不可欠です。

今回は、SDGsの目標14について解説するとともに、海洋プラスチックの問題と現状、削減に向けてできる取り組みについてご紹介します。

国際社会全体で取り組むべき開発目標を掲げた「SDGs」のなかでも、目標14は環境や、海洋生物、資源を保全して、持続可能な形で利用するための目標です。農林水産省のホームページ掲載文によると、この目標の1つ目のターゲットは以下のように定義されています。

「2025年までに、海洋堆積物や富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。」
引用:農林水産省「SDGs(持続可能な開発目標)17の目標と169のターゲット」

しかし、海洋汚染を防止するには、海洋プラスチック問題の解決が重要なカギを握っています。海洋プラスチックの問題と現状について見ていきましょう。

現在、世界の海にあるプラスチックごみは、合わせて1億5,000万トンを超え、毎年800万トンのごみが新たに増えているとされています。世界経済フォーラムの試算によると、「2050年にはプラスチック生産量が約4倍になり、それに伴うプラスチックごみ流出の拡大によって、ごみ全体の量が魚を上回る」と発表されました。

プラスチックごみの海洋流出を放置すると、今後以下のような被害が想定されます。

  • 生態系を含めた海洋環境への影響
  • 船舶航行への障害
  • 観光・漁業への影響
  • 沿岸域居住環境への影響

なかでも喫緊の課題といえるのが、「生態系を含めた海洋環境への影響」です。特に近年は、「マイクロプラスチック」と呼ばれる5ミリ以下の微細なごみが問題視されています。マイクロプラスチックとは、経時とともに劣化と破砕を重ねた結果、一般的なプラスチックごみが微細な破片となったごみのことです。

例えば、マイクロプラスチックが漂流の過程で汚染物質を吸着してしまうと、海洋生態系に汚染化学物質が取り込まれる恐れがあります。また、海洋生物が誤食した結果、海洋生物の「炎症反応」や「摂食障害」に繋がることも懸念されているのです。

このマイクロプラスチックは、北極や南極で観測されたという報告もあり、世界の海洋環境に対して甚大な影響を及ぼす可能性があると言っても過言ではありません。

海洋プラスチックを減らすためには、適切な処理を実施して「ごみではなく、資源として有効に活用する」ことが重要です。少しでもプラスチックごみの量を減らす取り組みとして有効なのが、「3R」の実践。3Rを構成するのは、以下の3つの「R」です。

  • Reduce(減らす):プラスチックの利用量を減らすこと
  • Reuse(使い回す):プラスチックを再利用すること
  • Recycle(リサイクル):プラスチックを再資源化すること

また、廃プラスチックの有効利用率は、2005年が58%であったのに対し、2020年には86%まで上昇したというデータ(※)もあります。一人ひとりが当事者として、環境を守る取り組みに積極的に関わる姿勢が大切だと言えるでしょう。
※参考:一般社団法人プラスチック循環利用協会「プラスチックリサイクルの基礎知識2020」

SDGsの目標の1つである「海の豊かさを守ろう」という項目と、海洋プラスチック問題は密接な関係にあります。なかでも、マイクロプラスチックの流出は海洋環境などに大きな影響を及ぼす恐れがあり、注意しなければなりません。

今回ご紹介した3Rをしっかりと実践することは、SDGsの目標達成の一助となり得る重要なポイントです。産業廃棄物処理業においても関係が深い問題ですので、SDGsの目標達成に向けて積極的に取り組むことをおすすめします。

 

 
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