建設リサイクルの必要性とリサイクル方法について解説
建設リサイクルがなぜ必要なのか、と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。産業廃棄物全体に対する建設廃棄物の排出量は高いため、建設リサイクルの必要性を知っておくことが大切です。
今回は、建設廃棄物の概要をご紹介し、建設リサイクルが必要な理由や、品目別のリサイクル方法について解説します。
目次 CONTENTS
建設廃棄物とは
そもそも建設廃棄物は、「一般廃棄物」と「産業廃棄物」の両方を含んでいるのが特徴です。産業廃棄物が、事業活動で生じる燃え殻や金属くずなどの20種類を指す一方、それ以外の廃棄物は一般廃棄物に分類されます。
また、建設廃棄物は「建設副産物の一部」であるのも特徴です。建設副産物とは、建設工事に伴って得られる副次的な物品全般を指す言葉であり、その中には廃棄物や再生資源が含まれます。例えば、原材料として利用できないコンクリート塊や建設汚泥などは、代表的な建設廃棄物として振り分けられるといった具合です。
それに対し、そのまま原材料として利用できる再生資源としては、建設発生土や金属くずが挙げられます。ただし、「原材料として利用できる可能性があるもの」に関しては、廃棄物と再生資源のどちらの区分にも当てはまる点には留意してください。
建設リサイクルの必要性
リサイクル率の向上は、建設業界において喫緊の課題となっています。なぜなら、環境省の発表によると、産業廃棄物全体の排出量に占める建設廃棄物の割合は約20%、最終処分量に占める割合は約23%という比率だからです。
そのうえ、不法投棄件数は全体の151件に対して約8割の123件にのぼり、投棄量は全体の7万6,288トンに対して約5割の4万29トンを占めています。
このような結果からも、建設リサイクルの必要性は極めて高いと言えるでしょう。また、廃棄物処理では適正な法令に基づいた処理を行うため費用が高くなりがちですが、リサイクル処理を推進させることでコスト削減を見込めるという側面もあります。
なお、建設現場の再生資源化率(平成30年)は、コンクリート塊が99.3%、アスファルト・コンクリート塊が99.5%という結果です。建設リサイクル法基本方針では、目標を95%(平成22年度)としているため、この基準はクリアしていると言えるでしょう。
建設リサイクルの方法
建設副産物を再資源化させる技術全般を、建設リサイクル技術と言います。ここからは、建設リサイクルとして具体的にどのような方法があるのか、品目別に見ていきましょう。
・アスファルト塊:破砕、混合物除去、粒度調整などを行い、再生砕石や再生アスファルト合材としてリサイクル
・コンクリート塊:破砕、混合物除去、粒度調整などを行い、再生砕石や再生砂、再生コンクリート骨材としてリサイクル
・建設発生木材:チップ化させて、パーティクルボードや製紙、堆肥、マルチング材としてリサイクル
・建設汚泥:焼成処理や乾燥処理を行い、建設汚泥処理土、もしくは骨材やブロックなど市販製品としてリサイクル
なお、建設副産物は、リサイクル品の需要と供給の関係も特徴的です。例えば、建設現場で発生した「建設汚泥」は「土工材料」へとリサイクルされるため、需要者と供給者が一致します。一方、「下水汚泥」を発生させる供給者と、そのリサイクル品である「建設資材材料」を利用する需要者は異なります。
まとめ
建設廃棄物としては、原材料にできないコンクリート塊や建設汚泥などが挙げられます。また、産業廃棄物全体に対する建設廃棄物の排出量、最終処分量の割合は約2割であるため、さらなるリサイクル処理の推進が大きな課題と言えるでしょう。
建設リサイクルでは、建設発生木材をパーティクルボードやマルチング材として使うなど、うまく循環させています。自社における建設リサイクルを推進させるためにも、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。
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